「私は将来、パニック障害で苦しんでいる人たちが所属できる温かなコミュニティ、ネットワークを作りたい。」
数年前、ある講演会で話した言葉です。
約15分ほどですが、詳しくはこちらの動画をご覧ください。
実は、私には常日頃から感じている、思っていることがあります。
それは、
人は、いつからでも
どこからでもよくなれる
というものです。
この気持ち、この思いは心理カウンセラーとして立ち上がった時から心の中に根付いており、一生消えることはありません。
これまで私のカウンセリングを受けてくださった人たちは、本当に色々な状況にいました。
・外出ができずお風呂やシャワーにも入れず、ずっと寝たきりだった人
・会社を退職せざるを得ず、生活保護を受給しながら生活していた人
・何十年もパニック障害の苦しさから抜け出せず絶望していた人
・パニック障害からの過呼吸発作で表の舞台に立てなくなった芸能界の人
・パニック障害が家族に理解されず、ずっと孤独の中にいた人
・外に出ることができず、子どもの送り迎えができなくて悲しい思いをした人
・交通機関に乗れないので遠くにいる親の死に目に会えず、ずっと後悔していた人
・リストカットなど自傷することでパニック発作の怖さから逃げようとしていた人
・パニック障害からうつ病を併発し、生きていることがただ辛かっただけの人
・食品添加物に対する不安感が強すぎて食事が摂れず、摂食障害に陥ってしまった人
・数分ごとにパニック発作が起きてしまい、会社に行けなくなってしまった人
・パニック障害が苦しくて繁盛していた飲食店を畳んでしまった人
・子どもの頃のトラウマからパニック障害を発症し、トラウマから抜け出せなかった人
・パニック障害が原因で身体を動かすことができず、スポーツの日本代表を辞退した人
・子どもの卒業式に出席することができず、悲しさから自分をずっと責めていた人
・外出恐怖から友達と遊びに行けず、多くの友達を失った人
など、こちらが全てではありませんが、本当に多くの苦しみや辛さ、悲しさにいる人たちにお会いしてきました。
カウンセリングを通し、それぞれ抱えている心の中の葛藤を見てきましたが、簡単に表せるものではなく、また、簡単に理解できるものではありません。
パニック障害が発症する過程は老若男女問わず、人それぞれの原因や要因があります。
多くはその人にしかわからない、心にフタをして溜め込んでいる感情や考え、葛藤だったりします。
そして、多くの心の病には、
幼少期の体験や経験、できごと
が関係している場合も多く、ほとんどは誰にも触れられたくないセンシティブなものです。
プロフィールや動画の中でもお話していますが、私も幼少期、4才くらいの頃に母親が父の会社の同僚と駆け落ちし、家を出て行ったという経験があります。
当時は何が起きたかわからず、ずーっと泣いている姉や兄を見て、何か悲しいことが起きたんだと思い、私も一緒に泣いたのを覚えています。
それから数年が経ち母親がいなくなったことを理解し、同時に守ってくれる存在がいなくなってしまった事の不安、寂しさ、孤独感が心をゆっくりと蝕んでいくのがわかりました。
突如湧き上がる大きな不安も何回か経験し、寂しさや不安のあまり小学校で急に泣き出した思い出もあります。
なんというか、本当に寂しかったんですよね。
父親もいたし姉も兄もいて親子としてとても可愛がってくれましたが、やはり母親の存在というのは特別であり、代替えや代理はきかないものです。
私は過去2回パニック発作を経験しましたが、いま思えばあの不安感の根底は、母親不在からくる寂しさ、孤独感だったんだと理解できます。
これは無意識の領域ですので頭では理解できないところで寂しさ、孤独感が募っていった結果だと感じとれます。
私がパニック障害専門心理カウンセラーとして活動を続けていく理由、心理カウンセラーを生業としている訳は、私が過去経験した孤独感や寂しさで苦しく辛い思いをしている人たちに、一人でも多く手を差し伸べたいと思ったから。
様々な原因や要因、理由があるにせよ、パニック障害が元でいま大変な思いをしていて厳しい状態にある人、絶望を感じている人に、心からの笑顔を取り戻し自由を手に入れて欲しいと願うからです。
この思いを胸にパニック障害専門心理カウンセラーとして活動を続け、ありがたいことに多くの方がパニック障害から抜けだし、安心感や幸福感、やすらぎや自由を手に入れました。
本当に様々な状態や状況にいた人たちが勇気をもって一歩を踏み出し、パニック障害を打ち破り自分を取り戻していきました。
心理カウンセラーとして多くの人たちがあらゆる状態から回復していくのを見て、
人は、いつからでも
どこからでもよくなれる
と、心の中に刻み込むことができました。
私の中に刻み込まれたこの『人は、いつからでもどこからでもよくなれる』という理念は生涯消えることはないでしょう。
これからもずっと、この理念を胸にカウンセリングをしていきます。