こんにちは。
パニック障害専門カウンセラーの三木ヒロシです。
あなたは「寛解」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「寛解」というのは医学用語として使われており、医師がクライアントに使うことが多く最近は言葉自体が広まっている印象がありますね。
さて、この「寛解」というものですが、イメージ的には「何かしらの状態が治っている」と思われがちですが、実はそうではありません。
今回は、多くの人が誤解している「寛解」というものについて説明をしていきましょう。
「寛解」とは症状が治ったわけではない
「寛解」という言葉が広まってきたのはここ数年ではないでしょうか。
本来は医学用語として医師間で使用されており、簡単に言うと「症状が底に沈んでいる状態」を寛解と定義しています。
少々勘違いしている人がいるな、と感じるこの「寛解」というものですが、あくまで「症状が底に沈んでいる状態」ですので、どこかのタイミングで再浮上する可能性は高いものです。
これまで表出していた症状が収まり「治った!」と思っても、それが寛解状態であればなにかしらの刺激によって引き起こされる可能性があり、改めて症状が表出したとき、メンタル的にかなり深く落ち込んでしまうことも少なくありません。
最近はクライアントさんから「寛解を目指します」という言葉を聞くことがあります。
しかし、「寛解」をゴールとして進んでいくと再浮上したときに強いダメージを受けてしまい、これまで築き上げてきた完治・改善へのマインドも吹き飛んでしまうことがあるので、「寛解」をゴールとするのはおすすめしません。
とりあえず「寛解」の状態にたどり着くのは良いことですが、それがゴールとなると将来的につらい状況になる恐れがあります。
「寛解」と「完治」の違いとはなにか?
よく聞かれる質問に「寛解と完治の違いは何ですか?」というものがあります。
「寛解」というのは先ほど述べたように「症状が底に沈んでいる状態」のことを指し、何かしらのタイミングで症状が再浮上する可能性があるものです。
一方「完治」という状態は、「症状が消失し表出しない状態」のことであり、どのような状況になってもこれまで悩まされてきたパニック障害、パニック発作が起きない状態を指します。
ただし、不安や怖さといった人間が持つ感情そのものは無くならないので、何かしらの状況において不安な怖さを感じることはあります。
ですが、「完治」という状態はどのような感情が湧き上がったとしても、それを客観的に捉えることができ、
「今はただ感情が湧き上がっているだけで、それによって自分の身体に何か起こるわけではない」
と冷静に俯瞰して自分の状態を理解することができます。
「完治」という状態は、これまでパニック障害に陥りパニック発作を起こし続けてきた原因や要因が解消され、不安や怖さがあっても過敏に動揺せず普段の生活を過ごせるという状態です。
それに比べ、「寛解」という状態はパニック障害の原因や要因が完全には解消されてはいませんが不安や怖さについての敏感さが薄れ、とりあえずは普段の生活を過ごせる状態のことです。
違う言いかたをしますと、「完治」という状態はこれまで何かのタイミングで爆発していた爆弾(原因や要因)を手放すことに成功し、爆発する危険が一切無くなった、というものですね。
「寛解」とは何かのタイミングで爆発してしまう爆弾を手放してはおらず、爆発に気を付けながらそれを抱えたまま毎日を過ごす、というものです。
多くの人は「寛解」状態になると爆弾を手放したと思ってしまい、何かしらのタイミングで爆発してしまったとき、それまでは無防備に過ごしていたのでダメージが大きいんですね。
「寛解」と「完治」にはこのような大きな違いがあります。
「寛解」のメリットとは?
「寛解」という状態はパニック障害自体は治っておらず、どこかのタイミングで引き起こされる可能性があるので、心からの安らぎは手に入れにくいかもしれません。
一時の安定感、何気なく日常を過ごせる安心感はありますが、いつ爆発するかわからないという危険性があるので心から気が置けない状態と言えるでしょう。
ですが、そのような「寛解」という状態は完治・改善の少し手前の状態であると言えます。
これまで積み重ねてきた努力、つらく苦しくても真っすぐ進んできた結果「寛解」にたどり着いたので、これまでの苦労は決して無駄にはなりません。
パニック障害の完治・改善のプロセスをたどっていき大きな山場をいくつか超えると「寛解」状態に到着します。
そして、その「寛解」から先に進み、爆弾とも言えるパニック障害の原因や要因をなんとか自分の中から取り除くことができたとき、パニック障害の完治という領域にたどり着きます。
そこでようやくパニック障害のつらさや苦しさから解放され、本来の自分を取り戻し、何にも縛られず自由に毎日を過ごすことができるんですね。
「寛解」はパニック障害の完治にたどり着く少し手前の状態であると理解しておきましょう。
終わりに
今回は「寛解」という状態に意味について、そして完治との違いについてお話をしました。
「寛解」という状態は目指すべきひとつの場所ではありますが、ゴールではありません。
「寛解」をゴールとしてしまうと何かしらのタイミングで症状が引き起こされたとき、これまで以上に苦しい思いをする可能性があります。
「寛解」はひとつの行き先であるという認識を持ち、最終的にたどり着くべきゴールは「完治」であると再認識していきましょう。
p.s パニック障害改善への近道を知りたい人はいませんか?
パニック障害の完治・改善が進んでいくのは2通りあります。その2通りとは、
・パニック障害の完治・改善まで遠回りしていくか
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というものです。
私も過去に数回パニック発作の経験がありますが、その後はパニック発作が起こることはなくピタリと終わりました。
それはなぜか?
パニック発作が起きたとき、そのときはすでにパニック発作を解消させていくスキル、パニック障害に陥らない知識、どのようなことをおこなっていけばパニック発作を解消できるのか?を知っていたからです。
そして、そのような知識はもちろんですが、パニック発作に至るまで数回のカウンセリングを受けていたから最悪の事態にならなかったとも言えるでしょう。
個人の力では限界があることでも、専門家が寄り添い一緒に歩んでいくことで解決・解消できることは多々あります。
パニック障害の完治・改善まで遠回りせず、望むゴールにたどり着く方法として最適なのがパニック障害の専門家によりカウンセリングと言えるでしょう。
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