こんにちは。
パニック障害専門カウンセラーの三木ヒロシです。
パニック障害と併発しやすい状態に、
広場恐怖
があります。
広場恐怖というのは、これまで何の問題もなく出かけていたところや行けていたところに不安感や怖さに襲われてしまい、急に行けなくなってしまうというものです。
いつものところへ急に出かけたり行けなくなるのですから、本人はとても大変ですしなぜ行けないのか混乱してしまいます。
今回は、そんなパニック障害と併発しやすい広場恐怖について、また広場恐怖の克服についてお話していきましょう。
広場恐怖というのはいままで行けていた場所、できていたことができなくなるとお話しました。
例えばですが、
・毎日出社していた会社
・毎日買い物に行っていたスーパーやコンビニ
・読書が趣味で通っていた本屋
・趣味の一環として出かけていた映画館
・髪を切る美容室
・これまで乗っていた電車や車
・旅行にいくとき利用していた飛行機
・子どもを遊ばせるために行っていた公園
・会社には行けるが社内にある会議室
・食材を買うのを楽しみにしていたデパ地下
・気分転換に行っていたコーヒーの美味しいカフェ
などなど、上記が主に広場恐怖に該当するところですね。
いままで何不自由なく行けていた場所に行けない、乗れていた乗り物に乗れないなどとても不便を感じ、多くの人はなぜ行けなくなってしまったのか?なぜこんなにも不安や怖さが湧き上がるのか?わからない状態です。
いままで行けていた、できていたことが急にできなくなるのですから、それはとても大変で苦しい状況と言えるでしょう。
広場恐怖を克服していくにあたり、まずは広場恐怖が起きてしまう過程(プロセス)についてお話していきましょう。
目次
なぜ広場恐怖が起こってしまうのか?
多くの人がパニック障害と併発し大変な思いをしてしまう広場恐怖。
なぜ、パニック障害とは別にこういった広場恐怖が起こってしまうのでしょうか?
広場恐怖が起こってしまう過程(プロセス)としてはこのようになっています。
1、パニック障害が発症し常に不安感が消えず抜けにくくなる
2、いつもの慣れた場所に行ったとき、なぜか不安が湧き上がりパニック発作や過呼吸状態となってしまう
3、いつもの場所でパニック発作や過呼吸になった経験から一種のトラウマ状態となる
4、またパニック発作や過呼吸発作が起きるのではないか?と感じ、慣れていた場所に近づかなくなる
5、慣れていた場所にどんどん不安感が募り、近づくのも避けるようになる
6、同じような事が起こるかも?と他の場所にも不安が募りだす
7、段々と色んなところに行けなくなり外出さえも苦痛となる
多くはこのような一連の流れになり、慣れていた場所に近づくのさえ苦痛、不安感の強さによっては外出さえも避け家から出られなくなることもあります。
広場恐怖が起きた時、最初は特定の一か所だけだったものが段々と広がり、気がついたらここも苦手、あそこも苦手、となっていることは多々あるんですね。
ですが、会社に行けない、買い物に行けない、好きだった場所にも行けないというのは日常生活にも支障が出てしまい、困窮する一方ですよね。
では実際に、突如起こった広場恐怖はどのように対処すればいいのか?その克服についてお話をしていきましょう。
どうすれば広場恐怖を克服できるのか?
どんどんと行けるところが限られてしまい、日常生活にも支障を及ぼす広場恐怖。
それをどのように克服し、元通り何の不自由もなく慣れた場所に行けるようになるのか?
まず、広場恐怖の克服に大切なことはあえて外出し、数日間かけて徐々に苦手な場所に近づいていき、その場所に段々と慣れていくことです。
すぐに克服しようといきなり苦手な場所に向かっても不安感や怖さが勝つことが多く、余計苦手になることは少なくありません。
ですので焦らず、深い呼吸を意識しながら徐々にその場所に近づき、克服していくのが良いでしょう。
自分にできるのか?と不安になるかもしれませんが、広場恐怖を克服するにあたっての流れがありますので、ここからはその流れを説明していきましょう。
広場恐怖を克服していくまでのステップ
広場恐怖を克服していくまでの流れ、それには適切なステップがあります。
最初から最後までこのステップを踏んでいくことで苦手な場所に慣れていき、段々と広場恐怖を克服していくものなんですね。
そのステップをこちらにまとめてみました。例として、パニック発作が起きてしまった近くのコンビニに行けるようになるまでの過程を説明していきましょう。
1、普段から背筋を伸ばし深い呼吸ができるように慣れておく
2、外に出てコンビニまでいつも通っていた道を歩き、少し歩いたら家に戻る。これを数日間繰り返す。
3、いつも通っていた道に慣れてきたらコンビニが見えるところまで行き、見えたら家に戻る。これを数日間繰り返す。
4、コンビニが見えるところまでの道に慣れたらコンビニの近くに行ってみる。これを数日間繰り返す
5、コンビニの近くに行くのに慣れたら実際にコンビニに入り、雑誌コーナーなど特定の場所に行き、しばらく眺めた後に家に戻る。これを数日間繰り返す
6、コンビニに入るのに慣れたらなにか1つ商品を手に持ち購入し、しばらく通ってみる
ここでは1つの例としてコンビニに行けるまでの流れを1~6の順に説明しました。
では、もう少し細かくこちらの流れを説明していきますね。
1、普段から背筋を伸ばし深い呼吸ができるように慣れておく
呼吸を制する者はパニック障害を制する、というのは私の持論ですが、それほど深い呼吸を意識するというのは重要なポイントになります。
深い呼吸はあらゆる症状に対応できるもので、気を落ち着かせ発作をあらゆる発作を無くし、自分を取り戻せる一つの方法なんですね。
深い呼吸というのは吐くのに8秒ほど、吸うのに6秒ほどかけておこなう呼吸法です。
深い呼吸をするのはいきなりは難しく、普段から意識して生活に取り入れておく必要があります。
ぜひ、深い呼吸を意識してどこでもできるように心がけておきましょう。
2、コンビニまでいつも通っていた道を歩いてみる
外に出て、まずはいつもコンビニに行くまで通っていた道を深い呼吸を意識しながら歩いてみましょう。
そして、数十メートル、数百メートル行ったら引き返し、家に戻ります。
ここでは無理してコンビニまでいく必要はなく、少し歩いたら引き返してしまって問題ありません。
逆に頑張って進もうとすると身体は緊張し不安が湧き上がる恐れがあるので、無理しない範囲で終わっておくことが大切です。
そしてこの流れを2日~10日ほど、自分のペースで良いのでかなり慣れてきたと思えるまで繰り返します。
繰り返す日程、慣れてくるのは個人差がありますので、あくまで無理のない日程で繰り返し慣れていきましょう。
3、コンビニが見えるところまで行ってみる
普段歩いていた道に慣れてきたら、今度はコンビニが見えるところまで深い呼吸を意識しながら行ってみましょう。
ここのステップでもコンビニまで行く必要はなく、あくまでコンビニが見えるところまで行くというのがポイントです。
コンビニが見えてきたらそこでストップし、来た道を振り返り家に戻りましょう。
ここでも同じで無理はせず、コンビニが見えるところまでと決めて行くのがポイントです。
そして、この流れを2日~10日ほど繰り返し、自分のペースをつかみましょう。
4、コンビニの近くまで行ってみる
コンビニが見えるところまで行けるようになったら、今度はコンビニの近くまで深い呼吸を意識しながら行ってみましょう。
コンビニが見えるところと実際にコンビニ近くまで行くのは緊張度合いが違いますので、改めて深い呼吸を意識することが大切です。
そして、コンビニの近くに来たら中に入る必要はなく、ここでも同じく来た道を振り返り家に戻りましょう。
実際にここまで乗り越え、パニック発作を起こしたコンビニ近くまで行けるようになったらしめたもの。
多くの人は苦手な場所まで行くことに強烈な不安や怖さがありますので、ここまで来れたら大きな山を越えたと思って良いでしょう。
こちらも同じように2日~10日ほど繰り返し、身体と心に十分慣らしていきます。
5、実際にコンビニに入り特定の場所に行ってみる
身体と心が慣れコンビニまで行けるようになったら、実際にコンビニ店内に入ってみましょう。
これまで歩いて慣れてきたのとは違い、実際にパニック発作が起き苦手だったコンビニ店内に入るので、緊張度合いも高まっていると思います。
ここでも同じように深い呼吸を意識する、浅い呼吸にならないようにしながら店内に入っていきましょう。
もし店内に入っただけで嫌な感覚や不安が起こったら、無理をせずコンビニを出てしまってかまいません。
コンビニ店内に入れただけでも本当にすごいことです。ここで引き返し、次回から店内に入る、すぐ出るを繰り返しても問題ありません。
無事に店内に入ることができたら、特定のコーナー、例えば雑誌コーナーや飲み物、お菓子など行ってみたいコーナーに行ってみましょう。
そしてできれば色々と物色し、コンビニ店内から外に出ましょう。
これを改めて2日~10日ほど繰り返します。
6、コンビニに入るのに慣れたら商品を購入し何日か通ってみる
さあ、ここまできたらもうラストスパートと言ってもいいでしょう。
コンビニ店内に入るのに慣れたら、今度は何かひとつの商品を持ってレジに並び、購入してみましょう。
すぐに購入できれば良いですが、もしレジ待ちが苦手であれば改めて深い呼吸を意識してみます。
深い呼吸を意識しながら店内をぐるっと見回し意識を他に向けていると、いつの間にか嫌な感覚は遠ざかっていきますので。
レジを待ち無事に購入できたらコンビニ店内を後にしましょう。
ここまできたら存分にコンビニに行けた喜び、買えた喜びをしっかりと感じましょう。ここまでのプロセスを乗り越えてきたなら、もう広場恐怖を克服できたといっても過言ではありません。
あとはできた感覚を大事にし、何回か繰り返し慣れていくだけです。
何日間か繰り返しコンビニに通い、しっかりとできた感覚、克服した喜びを自分に落とし込んでいきましょう。
広場恐怖の克服を確実に自分に落とし込むために
今回お話した広場恐怖克服の流れ、これを勇気を持って実践し無理せず一歩一歩行動していくことで理想の未来が手に入ります。
また、克服した感覚をより確実にするためには、何回か同じ行動をおこない自分の心と身体に浸透させていくのが良いでしょう。
今回の例で言えば、コンビニで買い物ができたら間を空けずに通ってみる。
毎日とは言わずとも、2~3日に一回は通い、どんどん感覚を自分のものにしていく、という感じです。
広場恐怖克服の成功をより自分のものにするため、成功を十分に落とし込んでいくことも大切ですので、ぜひこちらも実践してみてくださいね。
終わりに
今回はパニック障害と併発しやすい広場恐怖の克服についてお話をしてきました。
広場恐怖が起きた経緯、体験には個人差があり克服まで要する時間もそれぞれですので、今回お話した克服までの道のりが遠く感じてしまうかもしれません。
ですが、大事なことは勇気を一歩踏み込んでみる。行動をしてみることです。
人により時間がかかるかもしれませんが、勇気を持って行動した先には必ず明るい未来が待っています。
今回お話した克服へのプロセスを覚えておくだけではなく、実際に行動してぜひ、自分のものにしてみてくださいね。
p.s 遠回りせずパニック障害の完治・改善を成し遂げたい人はいませんか?
パニック障害の完治・改善が進んでいくのは2通りあります。その2通りとは、
・パニック障害の完治・改善まで遠回りしていくか
・パニック障害の完治・改善まで近道をしていくか
というものです。
私も過去に数回パニック発作の経験がありますが、その後はパニック発作が起こることはなくピタリと終わりました。
それはなぜか?
パニック発作が起きたとき、そのときはすでにパニック発作を解消させていくスキル、パニック障害に陥らない知識、どのようなことをおこなっていけばパニック発作を解消できるのか?を知っていたからです。
そして、そのような知識はもちろんですが、パニック発作に至るまで数回のカウンセリングを受けていたから最悪の事態にならなかったとも言えるでしょう。
個人の力では限界があることでも、専門家が寄り添い一緒に歩んでいくことで解決・解消できることは多々あります。
パニック障害の完治・改善まで遠回りせず、望むゴールにたどり着く方法として最適なのがパニック障害の専門家によりカウンセリングと言えるでしょう。
パニック障害専門カウンセラー三木ヒロシのカウンセリングは下記のリンクからお申込みが可能です。
リアル対面でのカウンセリングからオンライン、電話カウンセリング、メール相談など状況や状態に合わせてお選びいただけます。
カウンセリングの詳細につきましては下記リンクからご覧ください。
↓↓↓↓↓↓
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。
コメントを残す