こんにちは。
パニック障害専門カウンセラーの三木ヒロシです。
パニック発作や予期不安において、意識を別に向ける、外す、ずらすといった対処法はとても有効です。
今回は、突発的なパニック発作や予期不安の解消に使える、すぐにできる対処法についてお話をしていきましょう。
今回お話する対処法は「意識を別なものに向け続ける」という、人間が持つ特徴を活かしたものです。
目次
「意識を向け続ける」対処法とはどういうものか?
人は「意識」というものをひとつのことにしか向けることができません。
ですので、パニック発作に意識を向け続けるとパニック発作が消えず、予期不安に意識を向け続けると予期不安が消えないという現象が起こります。
今回の対処法はそれを逆手にとった、違うものに意識を向ける、集中させることでパニック発作や予期不安から意識を逸らしていくという方法なんですね。
これは方法をマスターし、日頃から実践していくことで誰でもできる方法であり、特に実践の準備も必要ありません。
意識を別のものに向ける方法はいくつかありますが、今回は1番最初に習得しておきたい対処法を説明していきます。
「目に見えた物の名称を呟く」対処法
先ほども少しお話しましたが、人間は1つのことにしか意識を集中することができません。
1つずつ、他の物に意識を向け続けていくことでいつしかそちらに意識は集中し、気がついたらパニック発作や予期不安は消えていきます。
今回お伝えするのはあなたの視界に入った物、目に見えているものに対し、1つずつその名称を呟くという方法なんですね。
実際のやり方についてはこちらになります。
1、できるだけ背筋を伸ばし顔を上げる
2、視界に入ったもの、目についたものの名称を呟く
3、深い呼吸を意識して整える
4、再度、視界に入ったものの名称を呟く
5、落ち着いてきたら再度呼吸を整える
となっています。
実践方法自体はそれほど難しいことでありませんが、自分のペースをつかむのに少しだけ時間が必要かもしれません。
では、実践方法について1つずつ解説していきましょう。
1、できるだけ背筋を伸ばし顔を上げる
パニック発作の予感がしたときや実際に起きてしまったとき、または予期不安など身体を丸め下を向いてしまいがちですが、ここではあえて背筋を伸ばして顔を上げるように努めます。
不安や怖さといった感情の性質として、身体を丸め下を向いていると抜けにくく、逆に身体を真っすぐにして顔を上げると抜けやすい、と言われています。
また、顔を上げていたほうが色々なものが視界に入りやすいため、できる範囲で背筋を伸ばしながら顔を上げるのが望ましいでしょう。
無理におこなおうとすると身体が反応しきれないこともありますので無理はせず、できる範囲で背筋を伸ばし顔を上げることが理想です。
2、視界に入ったもの、目についたものの名称を呟く
できる範囲で背筋を伸ばし顔を上げることでできたら、今度は視界に入ったもの、目についたものの名称を順番に1つずつ呟いていきましょう。
例えば、外出中に嫌な予感に襲われたり予期不安を感じたとき、
「あれは電柱」
「あれは10階建てのマンション」
「あれは○○便の宅配業者」
「あれは市営バスで〇〇行き」
「あれは赤いポスト」
「あれは一方通行の道路標識」
「あれは電線にとまっているカラス」
というように、視界に入ったものや目についたもの、片っ端から名称を呟いていきます。
ゆっくりで良いのでできるだけハッキリとした口調で、1つずつしっかりと名称を呟いていきます。
ポイントとしては、1つのものに対してハッキリと意識を向けて名称を呟くということです。
ハッキリとではなくぼんやりと意識を向けたのでは嫌な感覚が勝りますので、ハッキリと集中して名称を呟きましょう。
3、深い呼吸を意識して整える
しばらく色々なものに意識を向け名称を呟いたら、一旦呼吸に意識を向けましょう。
呼吸に意識を向けできるだけ深い呼吸を繰り返していくことで身体はリラックス効果を高め、少しずつ緊張が抜けていきますので。
できれば6秒息を吸って8秒かけて息を吐く、というくらいのペースが望ましいでしょう。
ここでもポイントしては、視界に入ったものの名称をしばらく呟きながら身体が慣れてきたとき、意識を他に向けることがある程度普通にできるようになったとき、呼吸に意識を向けるのが良いでしょう。
ものに意識を向け名称を呟くのに、まだあまり身体が馴染んでいない場合は中途半端となってしまいますので、焦らず色々と呟きながら、慣れてきたと感じた時点で呼吸に意識を向けることが大切です。
4、再度、視界に入ったものの名称を呟く
深い呼吸ができるようになり身体がある程度リラックスしてきたら、再度視界に入るもの、目についたものの名称を呟いていきましょう。
これは念のために再度意識を別に向けて身体を慣れしていくためですので、もし深い呼吸を繰り返している段階で落ち着きを取り戻し、緊張がだいぶ抜けていたらこちらは省いても問題ありません。
深い呼吸を繰り返したあと、もう少し意識を別に向けて自分を取り戻したいときや、自分の納得がいく体感覚まで戻したいときなど、再度名称を呟いていきましょう。
5、落ち着いてきたら再度呼吸を整える
体感覚が戻ってきた、緊張がかなり抜けて自分を取り戻してきたと感じたら、改めて深い呼吸を意識して繰り返しましょう。
これは体感覚を正常に戻す仕上げ的なものですので、リラックスしてゆったりとした呼吸をすることが大切です。
何回か深い呼吸を繰り返したら、頭や肩を回したり脚を上げてみるなどしてしっかりと意識を定着させましょう。
ここまでできたら、身体は安定を取り戻し感覚は正常になっていると思います。
実践にあたってのポイントと注意点
今回お話した対処法自体は比較的むずかしいものではありませんが、焦っていると多少なりとも混乱してしまい、方法が抜けてしまうこともあります。
練習とまではいかなくても、実践形式で慣れておく、身体を対処法に馴染ませておくと良いでしょう。
また、視界に入ったものの名称を呟くとき慌てて早く呟くのではなく、しっかりと呟くものを意識して、しっかりハッキリとした口調で呟くことがポイントです。
慣れてくれば慌てることも少なくなりますので、まずは事前にやってみてコツをつかんでおくのが良いでしょう。
終わりに
今回はいくつかある対処法のうち、対処の基礎となる「意識を別に向ける」という動作に特化したものをご紹介しましたが、いかがでしたか?
パニック発作や予期不安の対処法は、安定しているうちは問題ないのですが、いざそのときになるとやり方が抜けてしまったり慌てふためいてしまうことが少なくありません。
日頃からいかに対処法を身につけているか?身体がそれに慣れているか?がひとつのカギとなりますので、慌てないためにもしっかりと身につけておくことをおすすめします。
他の対処法についても別途お話していきますので、まずは今回の対処法をひとつの武器にしてみてくださいね。
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